さらっと行こう

さらっと行こう、亡くなった絵水さんがよく言っていて、よく思い出す言葉です。この言葉の意味、特に最近そうだと思います。何かを予約したらそこに行って、やってもらって、終わり。食べ物屋さんに行ったら、食べて去る。あーでもない、こーでもないとからまない。

人間関係も同じでこうしたほうがいいよ、こうしないほうがいいよなんて頼まれてもいないのに言わない。かわいそう、手を差し伸べなきゃなんて思わない。目の前に誰かが倒れていたら助けますが、かわいそうな誰かを自分を満たすために探し続けたりしないということです。自分以外の人のエネルギーで成功なんて所詮、無理です。成功は自分で獲得するしかないし、私ができることなんてないんです。私が何とかしてあげられるなんていうのが傲慢です。人間はどんなに相性がよくても距離が近くなればなるほど摩擦が生まれますし、相手に入り込みます。それをやって一番、疲弊するのは自分です。すべての人、どんな状態でも、私は本人の選択だと思うに至りました。

払うものは払う。やるべきことはやるをしていればさらっと生きていけます。払うべきものは払わない、やるべきことをしなければ払ってください、やってくださいと言われ、お互いに嫌な思いをするだけです。

年をとればとるほど、体力的、感情的なエネルギーも減っていきます。自分のことだけで大変なのに自分以外に入り込んだり、からんだり、私にはできないのでさらっとしたものにするようにしています。

伊藤仁彦