大きな岐路の場合には自分の中にちゃんと答えがあるし、たいていのことは何を選択してもいいし、必要なものは形を変えてまた与えられるから、あんまり考えすぎる必要はない

数十年前、私は超競争率の高い外資系の航空会社の仕事を得ましたが、これは絶対にやってはダメという強いフィーリングがありました。捨てるには惜しいと思ったのですが、自分で答えはわかっていました。その後、どうなるかわからなかったけれども、数か月後に今の仕事のベースになるような仕事に就きました。

これまで、これは絶対にやるべき、これは絶対にやってはいけない、基本的にそういう自分の中のフィーリングの指針に従ってきました。選択の結果は一切、考えたことはありません。それでよかったと思うし、そこまでの強い押しが自分の中にない場合、やってもいいし、やらなくてもいいしってことなんだなと思います。

本当は必要な人間関係、仕事を感情的な反応で失ったとしても、必要な経験をどちらにしろ与えてくれる人間関係、仕事はまた招かれると思います。私が言いたいのは、大きな岐路の場合には自分の中にちゃんと答えがあるし、たいていのことは何を選択してもいいし、必要なものは形を変えてまた与えられるから、あんまり考えすぎる必要はないということです。

伊藤仁彦