人が抱えるストレスが決して有害ではなく、むしろ人にとって極めて有益だという内容のコラムを読みました。
ストレスを抱えて過ごす人たちのグループとストレス無しに過ごす人たちのグループとを比較する実験がアメリカの研究機関で為された結果、ストレスを抱えて過ごす人たちの方が気力に溢れ免疫力も高くなっていることが分かったそうです。
老後はノンストレスでのんびりと過ごしたいと思う人が多いのですが、もし本当にその通りになったとしたなら、やがてストレスのない平穏な毎日に飽きてしまい気力や免疫力まで低下し、病気になりやすくなってしまうらしい。認知症発症のリスクも高まり老化のスピードだって一気に早まってしまうことになるのです。
私たちにストレスがあるからこそ、その難関と取り組んだり乗り越ええようしたりすることになる。そこにやる気と達成感が生まれ出すのだそうです。そう言われてみればそうかもしれません。
ふと思い出したのが昔聞いた事がある魚売りの話。未だちょんまげを結っていた江戸時代、日本海で取れたイワシを木製の桶に入れて生きたまま肩に担いで山を越えて大阪の市場に運び込むのは至難の業でした。長い道のりをゆられながら移動中にほとんどのイワシが弱り果て死んでしまったからです。
しかしある時、イワシがたくさん入った桶に鯰(ナマズ)を一匹入れていっしょに運んだところ、イワシは一匹も死ぬことが無く元気に生きたまま無事に最終地へと運び込まれたそうです。
ナマズと一緒に入れられたイワシたちは命の危険を感じ緊張状態のままずっと過ごさねばならなかったわけで、結局そのストレスがイワシたちの生命力を高め命を守ることになったのです。これは当時画期的な発見だったでしょうね。
毎日の生活の中で出くわす数かすのストレス。また以前からずっと抱えたままのストレスもあることでしょう。「もういい加減にしてくれ」って思うのですが、そうしたストレスが自分にとって有益に働いているのだとしたなら、むしろ「ストレスありがとう」って感謝せねばならないってことになりますね。