運行中の冥王星が昨年 11 月に水瓶座に入室してから早くも 1 年が経過しようとしています。冥王星は、1930 年にクライド・トンボーという天文学者によって発見された、人類にとっては比較的新しい天体です。
冥王星という天体が象徴するのは極限、変容、破壊、深い洞察など – 生半可なやり取りでは発生することのない、なかなかヘビーな意味合いを持っています。冥王星が水瓶座に入ったということは、水瓶座の持つ性質 (個人主義、独立性、自分らしさ、自由と平等、革新、テクノロジーなど)に関することが社会で変容していったり、極端な形で表現される時代に突入しているということです。昨今の世界では、資本主義による富の集中がもたらしてきた不均衡をぶち壊して個人に還元していこうという動きや、組織や序列にただぶら下がるのではなく、個々人の知性に基づき意識的な判断や生き方をしようと模索する時代に突入しています。
時代の象徴を読み解くのに使われる冥王星ですが、個人的なホロスコープで冥王星の働きを読むことには慎重さを要します。冥王星の公転周期は約 247.8 年と言われており、個人的な影響を読むにはあまりにも動きに変化がないためです。この地球上に存在する人間は誰も冥王星が12 星座を一周するのを生きている間に見届けることは出来ませんし、冥王星が初めて発見されたのは蟹座にある時でしたから、この天体が 12 星座をぐるっと一周して地球上にどのような影響をもたらすのか、私たちはまだ把握しきれていないと言っても良いかもしれません。
とはいえ、冥王星は確実に個人のホロスコープにも影響を及ぼしていると考えます。出生図で冥王星が強い配置に生まれた人への影響は特に顕著に見られます。周囲から見て良い意味でも悪い意味でもどこか目立っていたり、強烈なキャラクターや人をどこか惹きつけるカリスマ性を持っていることが多いですし、莫大な資産家や強い金運を持つ人のホロスコープでは冥王星が効いているということも珍しくありません。
人生を 80 年と捉えると、冥王星の公転周期はちょうど人間の 3 世代に相当するともいえます。冥王星は目に見えないもの、個を超えた力や集合的無意識を象徴するのですが、受け継がれてきた家系のカルマが冥王星の一周とともに清算されるという考えは非常に興味深いものがあります。例えば、3 世代を通して繰り返される抑圧や支配のテーマがあったとして、それが家系の流れの中で、祖父母が体験したトラウマや抑圧が親世代に受け継がれ無意識にその影響を受けて再演され、それを自分の世代が連鎖するパターンとして認識し、意識化することで深い癒しや終わりをもたらすというようなことです。潜在意識レベルに組み込まれたカルマを 3 世代を通じて変容させていくというのはまさに冥王星がもたらすテーマそのものではないかと感じます。冥王星は扱いの難しい天体ではありますが、知れば知るほど奥の深い、まさに「深掘り」にふさわしい天体です。