AI が占星術師に取って代わる時代が到来したのか

今回は占星術だけでなく占い全般に関連した話題になるかと思いますが、AI と占いについて少しお話をしようと思います。

この数年でめまぐるしく加速する AI の処理能力や分析能力ですが、皆さんは AI を使って占いをしたことがあるでしょうか?昔のように 鑑定を受けるために予約を取って占い師に会いに行ったり、電話で相談をしなくともPC やスマホを持ってさえいれば、(個人が特定されない範囲の情報で) AI に占いをしてと依頼するとそれなりの回答が返ってくる時代になりました。

西洋占星術に関していうと、AI が導き出す結果の精度は今のところまずまずといったところでしょうか。ただしハウスサインなど、占星術において重要な情報を読み間違えて見当違いな占いを返してくることも割とあります。その場合はAIに指摘し、再度プロンプト(指示)を出し修正をかけなければなりません。そういった手間はあるものの、今まで人間が頭脳を駆使して捻り出してきた結果がわずか数秒で弾き出されるのです。ホロスコープの鑑定はとても複雑なため、時としてチャートと睨めっこしながら、ウィール (ホロスコープの円) をぐるぐる回すこともありますが、AI にはそんな頭脳労働も回転も必要ありません。本当に一瞬で結果が表示されます。

ここでいう占いの「結果」というのは、一般的にネットや本などで見つけることができる定型的な内容のことを指します。例えば、太陽や月が何座、金星がこの星座の人はこういう傾向があるというような、いわゆるクックブック的な手法のことです。

料理本を開くと、一つの料理を作るのに必要な材料、分量、調理過程が載っていますよね。あれとこれを混ぜればこのレシピになるという正解が決まっているはずです。

AI の占い結果というのはこの手法に近しい印象を受けます。それぞれの天体のサイン、その意味、そしてその人がどういった性格の傾向があるかなど細切れに、詳細を弾き出してはくれますが、それを統合的に見てその人物の悩みや人生の流れを判断しカウンセリングするところにはまだ到達していないと感じます。

もちろん、もっと専門的で詳細なプロンプトを入れればその人物の深い部分まで分析することは技術的には可能です。しかしそれは少なくとも占星術の知識や経験がある人が具体的な質問をしない限りは難しいでしょう。また、これは AI の限界だと思うのですが、占いには直感が伴うことが多々あります。例えばある男性が、占星術の教科書的には起業家精神が強いと出ていても、実際には安定を第一に求めているとします。それはこの男性のホロスコープに起業家としての資質が本来あったとしても、それ以上に安定した生活を強く求める傾向が重複している場合や、土星以遠の運行天体の影響を受けている時期なのかもしれないのです。AI の処理は典型的なもの、確実性が高いものから傾向として出てきますので、この男性には起業が向いていると AI は伝えるでしょう。直感のある占星術師であれば、安定思考の強さと起業への適性が拮抗していることを見抜き、起業は向いているけれども今その時期ではないとか、安定性を重んじた方があなたの場合は気持ちが楽になる、などと伝えられるのです。そして占いというのは、こういったヒューマンスキルが特に必要とされる領域でもあります。その意味で AI が占い師に完全に取って代わることはないと思います。少なくとも今のところは!

これは占い以外にも AI を使いこなすうえでの鉄則ですが、すべてを鵜呑みにせずファクトチェックとほかの可能性を常に考慮するということです。AI とチャットをするのは便利ですが、質問者自身の見解に寄せた回答をするため、その内容に偏りが出ることも指摘されています。ニュートラルな視点で AI を使いこなせると良いですね。

☆アメリカ在住の西洋占星術の研究家のキャサリンのホロスコープリーディング