1年間の壮大なプロジェクト2

このプロジェクトの始まり、それはレーネンさんからの連絡から始まりました。2022年の今頃です。レーネンさんは役者をしたことがある人でドラマチックな人で、いろんなことを大げさにオーバーリアクションで表現することがありますが、「体が痛い!どうなっているんだ!」と私に言うので、いつものドラマチックなものかなと思っていましたが、「じゃあ、みゆきにたずねてみよう」と提案すると本人も同意し、3人でオンラインで話しました。

みゆきさんは、いつものように笑いながらすべてを知っているように「レーネンさん、頻繁に出現することがない、宇宙の成り立ちがわかるかもしれない、秘密のブラックホールを発見したって私のところに自慢しに来ていましたよね?そこは、強烈な狂った磁場でちょっと行くらいはいいけれども、あまりに頻繁に行き過ぎ、強烈に狂った磁場がレーネンさんの体を超合金のロボットのようにカチカチにしてしまったので痛いんですよ」と言うと、勝気で人に意見されたくない性格のレーネンさんは「じゃあ、どうしたらいいの?」って言いました。私は、二人のやり取りを見ていて、この話は図星だったと思いました。

レーネンさんは指摘されることを非難と思う傾向があるので、「じゃあ、みゆきさん、どうすればいい?」ってその場の緊張を和らげるために私が言うと、「簡単です。行くのを止めればいいだけです。レーネンさん、頻繁に出現することがないその場所を逃したくないから、ギューッとそこと自分をひもでつなげているのわかってますよね?」と言うと、いつものレーネンさんの対応で認めることはないけれども、その様子からまた図星だって私はわかりました。とにかく、ドラマチックの大げさにオーバーリアクションで騒ぐレーネンさんに解決法は渡したし、一件落着と私は思っていました。後でみゆきさんが私に「自分だったらあんな場所に行かない。でも、レーネンさんは頻繁に私に自慢しに来る」と言っていました。約2年間も来日できないし、本人はじっと何もしないでなんていられる人じゃないし、そういうところに冒険に行くというのも納得でした。(続く)

伊藤仁彦