
イラストをご覧ください。では、物語へと続きます。
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主役は1匹の猫です。まずは、生活の背景を少しご説明します。
飼い主は、両親と長男・長女・次男の5人家族。かなり裕福な家庭のようです。ある日、お父さんが友人から生まれたばかりの子猫をもらってきました。お母さんと子供たちは大はしゃぎ! 初日からずっとお世話係の取り合いになり、至れり尽くせりの環境で赤ちゃん猫はすくすくと育っていきました。
やがて、自分だけで家中を歩き回れる(冒険できる)ようになったある朝のこと。リビングルームに行くと、ソファの上に大きなテディベアが置いてありました。ふわっふわでモコモコとした気持ちよさそうな毛並みと、優しそうなその動かない生き物(ぬいぐるみ)に一目惚れした子猫はソファへ走り寄り、飛び乗ろうとしました。
しかし、この家のソファは子猫が簡単に飛び乗れるような作りではありませんでした。今度は一生懸命によじ登ろうとしましたが、爪が引っかかりません。「ヤダヤダヤダヤダヤダ! そばに行くんだーーー!」という気持ちが溢れてきたのでしょう。それまでは「ミー(小声)」「ミャオ(小声)」と囁くように鳴いていた子猫が、「ニヤアオ!」「ギヤアオ!」と叫び始めたのです。「え!? カラスの喧嘩!?」と勘違いしそうなほどの鳴き声に、家族一同「何事!?」とリビングルームに飛んできました。
子猫は家族とテディベアを交互に見つめながら、ソファの下で「ニヤアオ!」「ギヤアオ!」と叫び続けました。一番早くその意図を察したお兄ちゃんが「クマが欲しいんだって」とポンと手にとって、クッションと一緒に床の端っこに置いてあげました。「ニャアアアアア!」と子猫は嬉しそうにひと鳴きすると、テディベアに駆け寄り、お腹に顔をこすりつけてスリスリし始めました。顔をすり合わせる挨拶が済むと、今度はテディベアの顔を見つめながら、「ミー(小声)」「ミャオ(小声)」と、猫語(?)での挨拶が始まりました。
その様子をずっと見ていた家族は「ママに会えたとでも思っているのかな」「なんか良かったね」と微笑ましく会話を交わし、それぞれの日常に戻るために部屋へと帰っていきました。
このテディベアとの出会いが、子猫の生活と家族との関わりを一変させました。この時から、子猫はテディベアから離れようとしなくなりました。離れるのはご飯を食べるときとミルク(水)を飲むときだけです。「ご飯よー」「ご飯だぞー」という家族の声を聞くとダイニングルームへ飛んでいきますが、ちゃっちゃと食べ終えると、すぐにテディベアのところへ飛んで帰り、「ミー(小声)」「ミャオ(小声)」と何かを話しかけています。
それまで一緒に遊んでいたお兄ちゃんやお姉ちゃんのことは、完全に(?)無視。新しい猫用のおもちゃを買ってきてもらっても、見向きもしません。「ママー。全然遊んでくれないし、抱っこもさせてくれないよ」と、子供たちは愚痴をこぼすようになりました。
「まあまあ、仕方ないわね」とお母さん。「わがままな……自由気ままな末っ子だと思うしかないな(笑)」とお父さん。どうやっても動かない相手なのだから仕方がない、と家族みんな、子猫の好きにさせて干渉しないことに決めたのです。それから数年が経ち、子猫は大きく成長したものの、その行動や家族との関係性は変わりませんでした。
そんなある日のことです。お父さんが今度は子犬をもらってきました。人懐っこく、元気いっぱいの子犬です。玄関のドアを開けてすぐ、抱っこしていた子犬を床に降ろしました。
子犬も家族も大はしゃぎです。その様子をリビングの隅っこで静かに見ていた猫に、子犬が気づきました。「新しい遊び相手みーつけた!」と言わんばかりの嬉しそうな顔で突進してきた子犬を、猫は冷静に避けます。勢いの止まらない子犬は、そのままテディベアに激突してしまいました。コロン、パタッ! と、テディベアがひっくり返ります。「キャハハ♪」という笑い声まで聞こえてきそうなはしゃぎっぷりで、子犬はひっくり返ったテディベアのお腹の上に乗り、バタバタと四つ足で踏みつけながら、パクッとテディベアの鼻を甘噛みしました。
その様子をじっと見つめていた猫。怒るのかと思いきや、「え!? 何、そんなもんなの?」という声が聞こえてきそうな(気のせいかもしれませんが)、冷ややかな目を向けました。そしてぷいっと踵(きびす)を返し、ダイニングルームへと消えていきました。この時を境に、猫がテディベアに近寄ることは二度とありませんでした。
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(参考まで)
あなたには、
① 「一目惚れ」すると(事実と異なるほどに)理想を作り上げてしまう(夢見がち、ロマンチストな)傾向があります。
しかしその反面、
② 非常にクールで淡白な一面も持ち合わせています。
あなたは①の状況を楽しんでいるようですが、その一方で、自分の生きている(見ている)世界が非常に狭くなっていることにも気づいています。そのため、あるとき突然(些細なきっかけで)馬鹿らしくなり、②のクールさが顔を出します。そしてぷいっと踵を返し(冷静な自分に戻り)、また他の世界へと視点や価値観を広げ直そうとするのです。
この二つの面のやり取り自体は、決して悪いことではありません。しかし、定期的に「子猫」になって狭い世界を生きて(遊んで)は、最後に「馬鹿みたい」と終わらせてしまうこの繰り返しは、等身大の自分や、成長している自分を認めづらくさせる原因になります。
同じことを繰り返している自分に対して、毎回「馬鹿みたい!」と思わせてしまうのは、少しもったいない気がします。広い視点や新しい価値観を取り入れながら、次の新しい楽しみを見つけていく方こそが、あなた(本来の猫)らしい生き方なのかもしれません。
この物語には、あなたが影響を受けている(そして今も持っている)考え方、才能、性質(性格)が描かれています。短くても、自分を理解し、整理し、さらに伸ばしていくための多くのヒントが散りばめられています。ぜひ、ご自身の手でそれらを発見してみてください。