草むらの中に何かキラリと光る心惹かれるものがあるような気がして身をかがめた姿勢で無心になって野原を探し続けている人の姿が浮かび上がっています。「あ！これかな？」と何度も手を指し伸ばしかけるんだけど「いや違う」と諦め手を引っ込めることの繰り返しです。

結局この人は身をかがめた姿勢で決められた場所を探し続けることに飽き飽きして辞めてしまうことにしました。「あーあ、何だかバカらしくなってしまった。もうヤメヤメ」って感じでしょうか。

そして背を伸ばした姿勢に戻って何気なくあたりを見渡した瞬間に、少し離れた場所に今まで散々探し求めて来たキラリと光るものがいくつもあることに気付くんです。直ぐに駆け寄り手に取ることだって出来ます。

限られた範囲の中をいくら必死の形相で探し求めても何も見つからない場合があるんです。自分の頭が作り出した決めつけが、本来なら広範囲に見渡せていたはずの自分の視界を遮る壁を作り、本当に大切なものを見えなくしてしまっていたのです。