あたり一面に複数の木の葉がひらひらと舞いながら次々に地面に落ちて行く光景が見えます。もうしばらくすると樹木は裸になってしまうはずです。しかし、穏やかな日差しの中を心地よいそよ風が吹いている。なんだか不思議な光景です。そこには少しも寂しさや悲しみは存在せず、逆にハートフルな気配が漂っている。

木の葉が全て落ちてしまい裸んぼうになった木々がそのまま枯れ果てることはなく、やがて美しい新緑に覆われることになるのです。暖かな日差しや心地よいそよ風やあたり一面を覆う空気は全てが移り変わり進化成長していく姿やプロセスを最初から知っているのです。

ひらひらと木の葉が舞い散る光景を目の当たりにすると、私たちの胸には寂しさや時には悲しい思いまで湧き起こるかもしれません。しかし役目が終了した木の葉がすべて枯れ落ちることによって、新しい次の木の葉が一斉に芽を吹き出し成長を迎えるのです。

新しい何かがこの世に生まれる為に、そしてそれらが進化成長し次の時代を迎えていく為に、役目の終わった古きものが今までの歴史を終え自らの幕を閉じようとするのです。