昨日は足場の悪い泥濘(ぬかるみ)の道を辛抱して歩み続ける必要はないというお話を書きました。でも、そんなひどい状態なのに気持ちが滅入ることも無く、むしろ面白がって通り抜けれる時があるんです。
もう10年以上の前の事だったでしょうか。数名の有志のみなさんと一緒に奈良県の玉置神社や熊野大社のパワースポットを探索するツアーに出かけたことがあります。行けるところまでは車で行きますが、熊野古道めぐりや玉置神社の奥の院までの山道はすべて徒歩で向かわねばなりません。
最寄りのホテルで前泊し、頭の中では澄み切った青空の中をリュック一つ担いで元気に巡回することだけイメージして早起きしたんだけど、当日はまさかの雨模様。パワースポットに向かう山道ではさらに天候が悪化し、吹き降りの雨の中を念のために事前に100均で手に入れていた使い捨てレインコートをそれぞれが装備し、最悪の環境の中を予定通り突き進むことになりました。
顔に伝わって流れ落ちるのは吹き付ける雨なのか涙なのかはわからない。泥濘の山道ではとうとう靴の中にまで水が入り込みぐしょぐしょで本当に酷い状態での散策となりました。しかし誰一人弱音を吐くことも無く予定していた全コースを廻り切りました。
最悪と言えば最悪だったんだけど、その最悪の体験が意外にも楽しかったんです。ホテルに戻って早速入浴を済ませ夕食の時に再びみんなで集まりましたが、「もう今日は最悪でしたね」と語りながら全員がお腹を抱えて笑っていた。長い人生の中でもう二度と遭遇しないような酷い体験が出来たのですから。
10年以上昔の酷い体験。でも心が通い合える仲間たちと同じ困難の中を進み行く一歩一歩は不思議と苦痛ではなく、むしろ終始笑顔で通り過ぎることが出来て楽しかった。どんな困難も、もしもその状態を面白がって進んで行くことが出来たならそれはお金では買えない貴重な体験に様変わりします。今も素敵な思い出として心に残っています。
最悪の状況の中でも、その時共に行動することになる仲間たち、そして自分の心の在り方によっては少しも滅入ることなく逆に笑顔で楽しく通過して行くことが出来るんです。