スーッと右斜め上に浮かび上がり、そのまま勢いを落とすととなく上昇して行く羽衣の光景が見えます。その流れに呼応するように、あたりの雑音やざわめきが全て消え去ります。この光景が語りかけているのは「もし何もかも忘れ無心になって行動することが出来たなら、あなたの心を惑わせていた雑音は全て消え去る」です。

これって、何もかも忘れ時間の経つのも忘れ去るくらい無心になって取り組めることを見つけましょうよと言う呼びかけなんです。ダンスでもいいし陶芸でもいいし絵を描くことだって構わない。一日中夢中になって取り組んでいて、ふと気が付くと日付変更線をはるかに超えていたみたいな体験って少ないですね。

もしそれが出来たなら、今までざわついていた心の騒音や雑音がスッキリと消え去るのだそうです。一つの行動に集中し尽くすことによって思考や妄想の領域からも離脱できるってことなのでしょう。これって修行者が行うサマタ瞑想やその目的とすごく似ています。

違うのは、修行をするという意識が最初から何も存在しないことです。大好きなことに打ち込むことによって時間も雑音も自分から消え去ってしまうのです。いいですね、チャンスがあるならぜひ私も体験してみたいです。

20数年前に、生まれて初めて気のエネルギーに目覚め、科学で説明できない事実やとんでもない人たちと毎日のように出くわした不思議で幻想的だった日々を思い出します。あの頃は正に自分から時間と雑音が消え去っていました。毎朝がときめきの目覚めからスタートし一日が終わり眠りに入るまで、まるで空中に浮かんでいるかのような気分でしたね。

話が飛躍しますが、高速ジェット機が音速を超える時、宇宙船が宇宙空間で光速を超える時、その時のジェット機や宇宙船に乗っている人には、きっと言葉では語り尽くせない体験が待っているはずです。同様に、日常生活の中で絶対に超えられないと信じて疑わなかった限界を超えたその先に待っている体験や気づきは、体験した人じゃないと分からないのです。